
総務の役割は会社の成長と共に進化する――1人社長時代から分業化・戦略化まで
総務は、社内の“困りごと解決屋”であり、環境整備や契約・備品管理から、人事・労務手続き、さらには社内コミュニケーションの橋渡しまで、あらゆる「縁の下の力持ち」的存在です。規模や体制に応じて背負う役割は大きく変わりますが、共通するのは“会社をなめらかに運営するための支点”であることです。
1人社長・極小規模フェーズ:「オールインワン総務社長」のリアル
会社を立ち上げたばかり、または社員がまだいない・数人だけという段階では、社長自身が総務も全部担います。
- 請求・契約・備品管理も、健康診断や法定手続きも、メールや電話対応まですべて“自分1人で”完結。
- 「経理ソフトへの入力も自分」「全員への連絡は自分で一斉送信」など、1人親方ならではのフル稼働ですが、記録や仕組みづくりがゆくゆく役立ちます。
- Googleドライブや手帳などに、進捗や履歴、小さなミスもメモしておくと、将来の業務分担や外部依頼時もスムーズです。
- 無理をしすぎず“外部サービスや専門家”に適宜相談するのが賢い工夫です。
20名未満:“なんでも相談できるお世話係”
- 少人数ゆえ、社長兼総務でも「困ったらすぐ誰かに聞ける」アットホームな環境です。
- 契約や勤怠、イベント運営も柔軟。現場での気づきをどんどん記録し、小さな「うまくいった」や「困った」を後につなげます。
- 社長が全部行う場合も、ルールの形骸化や書類紛失を防ぐため、スプレッドシートやふせんの“小技”が将来の整理のもとになります。
20~100名:“社内の土台づくり役”へ
- 規模が拡大すると、総務の業務も社長ひとり対応には限界がきます。
- 担当制の導入や、クラウド/データベース利用など、「誰でも確認できる仕組み」「ミスや抜け漏れの見える化」が軸になります。
- この段階で初めて「総務担当を社長以外に任せる」「アウトソーシングを取り入れる」ことも多いです。
100名以上:“戦略的・分業型総務”へ
- 人事・法務・庶務などそれぞれ分社化し、「社長=総務」の形は卒業。
- 全社横断の基幹部署として、現場と経営層を結びながら、法改正・働き方改革やコンプライアンスも巻き込む役割となります。
- 多忙な社長は専門部署の声を活かし「組織全体の戦略運営」という視点へとステップアップします。
まとめ
どんなに小さな会社でも、そして「社長しかいない」時代でも、“総務的な目線や記録・仕組みづくり”は全ての成長段階で会社の支えとなります。
成長の節目ごとに「分担」「標準化」「戦略化」へと総務の役割は広がり、やがて“会社の未来そのもの”を支える存在へと進化していきます。








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