女性経営者が気になる、結婚したらビジネスネーム(旧姓)で銀行口座は作れるの?
女性研究者でも話題にはなりますが、ビジネスネーム(旧姓)での実績がある場合、姓の変更によりキャリアが断絶されるため、仕事上で使用する名前は変えないケースが増えています。
ただ、気になるのは、銀行口座です。ビジネスネームの口座って作れるの?ビジネスネームで活動しているのに、戸籍名の口座に振り込んでもらうの?手続きがわからないと、手続きへの面倒臭さが増して、嫌になりますよね。
結論から言うと、「難しいが、できなくはない」というのが現状です。
内閣府男女共同参画局・金融庁監督局が2022年(令和4年)に金融機関に取ったアンケートが参考になります。
このアンケートを見ると約6割の金融機関は対応しています。
Q. ①貴金融機関では、普通預金について、旧姓による新規口座開設に対応していますか。②口座開設者が婚姻等により改姓した場合、既存口座の旧姓名義による取引を認めていますか。
・ 銀行の約7割、信用金庫の約6割が、旧姓名義による口座開設等に対応している
・ 信用組合については、共同センターのシステムが未対応となっていること等から1割強その他6.7% 93.3%にとどまっている
出典:https://www.fsa.go.jp/news/r4/ginkou/20220906/01.pdf
また、アンケートの中では、対応していない理由も記載されています。
旧姓による預金口座開設等に未対応の理由
Q.旧姓口座に対応していない理由は何ですか(複数回答可)
・未対応の理由として、最も多かったのが「マネロン及びテロ資金供与防止対応上の懸念」、次いで「旧姓口座のニーズがない」、「システム改修が必要」。システム改修については、ほぼ全ての金融機関において、相当程度の作業期間・費用が見込まれるとしている。
出典:https://www.fsa.go.jp/news/r4/ginkou/20220906/01.pdf
アンケート結果からは、旧姓口座を新規に開設する場合、犯罪に使用されないかどうか、が重視されている点がわかります。
(旧姓口座に対応している場合)
Q.旧姓を使用する背景・理由等を確認するための書類の提出や説明(単に旧姓使用を届け出るための書類は除く)を求めていますか。
・多くの金融機関が、顧客から旧姓口座の開設等の申し込みを受けた場合、その背景・理由や特段の事情を慎重に確認していると回答
出典:https://www.fsa.go.jp/news/r4/ginkou/20220906/01.pdf
多くの金融機関は犯罪防止や事務負担の大きさから、旧姓口座の開設方法を積極的に開示していません。
ビジネスネーム(旧姓)口座を開設する場合は、「犯罪目的だと誤解されないように事情を説明できる」「(怪しまれないように)手続き関係書類が旧姓で郵送で受け取れるようにしておく」のが大事だと言えるでしょう。
アンケートなどのデータはありませんが、結婚して姓が変わったけど、20年以上前から旧姓口座を何も言わずに維持をしている話も聞いたりもします。ルール上の良し悪しの判断はできませんが、旧姓口座を何も言わずに維持している女性も多いのかもしれませんね。
ただ、住民税を自分で支払っている場合や子ども手当の振り込みがある場合は、戸籍口座も必要ですよね。
考えられる選択肢としては、怪しまれないように既存の取引(口座)がある金融機関に旧姓口座について相談に行く、もしくは旧姓口座を維持するという2択かもしれませんね。
どちらもメリット・デメリットがあるかと思いますので、ご検討の上、ご判断ください。
ご紹介した金融機関のアンケートは2022年のデータなので、もしかしたら少しずつ旧姓口座の開設もしやすくなっていくかもしれません。そう願って。
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