キャリアと家族のかたちを考える──年子、2歳差、3歳差…みんなの「ちょうどいい」選択
50歳の女性から「キャリアを優先したくて年子で産んだ」という声を聞いたことで、キャリアと家族についてどんなふうに考えている方が多いのか、気になり調べてみました。
1. 年子(1歳差)を選ぶ人とキャリア、そして医師の見解
年子で出産することで「育児の大変な時期をいっきに終えて、仕事に専念したい」と考える方もいらっしゃいます。職場への復帰時期がはっきりしやすかったり、体力のあるうちに連続して出産を、と考える方もいるようです。
ただ、実際に年子を希望したり実現している方は全体のほんの一部。統計では年子を積極的に希望する女性は約5%、実際に年子で出産しているのは3~5%程度にとどまっています。体調や生活の変化、育児の負担、産後の回復といった点で、多くの方が慎重に考えています。
また、多くの医師や専門家は、産後すぐの妊娠・出産(年子)は母体と赤ちゃんへの負担が大きいことから、医学的な理由で推奨していません。産後は子宮や体の回復が十分でない場合も多いため、世界保健機関(WHO)や産婦人科学会などからも「出産後、妊娠までは最低でも1年空けることが望ましい」とアドバイスされています。
2. 2歳差・3歳差の家庭が多い理由
2歳差や3歳差を選ぶご家庭が多いのは、
- 育児やキャリアの中断期間をある程度まとめて乗り越えやすい
- 子ども同士が一緒に遊びやすかったり、兄弟姉妹の関係を築きやすい
- 親の体力や生活リズムに無理が少ない
…といったバランスのとれたメリットを感じるからだと分かりました。
特に3歳差の場合は、上の子がある程度手がかからなくなったり、幼稚園などに通うことで、下の子の育児も落ち着いてできるというお話も多く聞かれます。
家族それぞれの「ちょうどいいペース」
誰もが同じ選択をしているわけではなく、体調や家庭のサポート、仕事の状況など、その人・ご家族にとって「ちょうどいい」と思えるタイミングや形を大切にしていることが伝わってきました。「○歳差がベスト」と決まっているものではなく、いろいろな悩みや想いのなかで、自分たちらしい選択をしている方がとても多いのだと思います。
一人っ子という選択も
また、どんな年齢差やきょうだい構成にも、とらわれない家庭もあります。一人っ子を選ぶご家庭も増えており、
- 子ども一人ひとりと丁寧に向き合いたい
- 自分のキャリアや体調、家族のサポート体制から一人という選択が合っていると感じる
- 家庭経済やライフスタイルに合わせて柔軟に考えたい
など、さまざまな理由から「一人っ子」というかたちを大切にしている声も多く聞かれます。
どれが良い・悪いではなく、それぞれが納得できる家族のかたちでいられることが一番大切だと感じます。
おわりに
誰かの「こんな声」にそっと耳を傾けてみると、一人ひとりがさまざまな思いで家族やキャリアを考えていることに気付きます。どんな選択であっても、その人や家族にとって大切なかたちであってほしい——そんなふうに感じました。
自分と家族にとって「ちょうどいい」リズムやペースを見つけることが、納得のいくキャリアと家庭の両立への第一歩なのかもしれませんね。
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